寝返りが「片側だけ」なのは、心配することでしょうか。理学療法士パパが、深夜に検索する前に伝えたいこと

PTパパの考え方

 PR:本記事は情報提供を目的としており、商品の紹介は含みません

先に結論から言います。
寝返りが片側だけなのは、めずらしいことではありません。
「〇か月までにできないと異常」という基準も、公的な資料にはありません。

右にばかり寝返りする娘を見て、少し焦りました

体の利き手足が定まってきたのかな、何か回転しやすい軸があるのかな、逆に左に向きづらいのかな。
いろいろなことが気になりました。

調べてみると、まず前提から間違えていました。

寝返りの月齢は、「幅」で語られています

日本では、寝返りの目安として5〜6か月ごろとよく言われます。
ただし、これは平均的な目安であり、この月齢を過ぎたら問題、という線引きではありません。

厚生労働省の通達には、精神・運動機能の発達について、育児環境の影響や個人差が大きいため、一回の検査結果だけで判断せず、継続的に観察することが明記されています。

🟢 はっきりしていること:寝返りの獲得時期には個人差が大きく、国の資料でも「1回の検査結果で判定せず、継続的に観察する」ことが原則とされています
🟡 関連が報告されていること:新生児期から生後6か月ごろまでの赤ちゃんの約12%に、体の向きの好みの左右差が見られたという報告があります。片方向を先に習得し、逆方向は1〜2か月ほど遅れて習得する子も一般的とされています
🔴 まだ分かっていないこと:うつ伏せの時間や体位の工夫が発達に関連するという報告はありますが、「これをすれば必ず早く寝返りできる」と保証する資料はありません

左右差そのものが、問題という意味ではありません

片方向の寝返りだけを先に覚えて、もう片方は少し遅れる。
これ自体は、よくあることだとされています。

患者さんから「よくこっち側を向いて寝るんだよね」という話を聞くことはあります。
ただ、臨床で乳児の寝返りそのものを専門に診る機会は多くありません。
発達していく中で左右差が出てくること自体は、そこまで気になったことはありませんでした。

1歳6か月健診で、寝返りは聞かれません

「そのうち健診で指摘されるはず」と思っていましたが、これも少し違いました。

1歳6か月児健診は、歩行や言葉の発達を確認する時期として設計されています。
寝返りは、その前の月齢の健診で、運動発達の一部として確認されるものです。

つまり、1歳6か月まで様子を見ればいい、という話でもありません。
気になったときに、その時点の健診や診察で伝える、という考え方のほうが合っています。

「何か特別な練習」は、必要ないと思います

うつ伏せの時間を増やしたり、体の向きを工夫したりすることと、その後の発達には、関連が報告されています。
以前の記事で紹介したうつ伏せ遊びも、その一つです。

ただし、これは「やれば必ず早くなる」という保証ではありません。
特別な練習法として身構えるより、いつも通り一緒に遊ぶ時間の延長で十分だと思います。

手や足を持って、無理に体を回転させるような方法は、公的に推奨されているものではありません。
おすすめしません。

健診や診察で伝えてほしいこと

「これだけ差があれば受診」という基準を示した公的な資料は、見つかりませんでした。
だからこそ、自分で線引きをしようとしなくて大丈夫です。

次のようなことに気づいたら、健診や診察のときに伝えてください。

  • 片側への偏りが、月齢が進んでも強いまま変わらない
  • 寝返り以外にも、気になる発達の遅れがある
  • 体の一部が、常に同じ向きに強くねじれているように見える

これは、自分で診断することではありません。
気づいたことを、専門家に渡すということです。

僕自身は、正直そこまで気にしていませんでした。
でも、「大丈夫だよ」と何度伝えても、それだけでは安心しきれない様子でした。
結局、健診で医師に直接「問題ありません」と言われて、初めてほっとした顔をしていました。
僕の言葉より、専門家に直接聞くことのほうが、ずっと力になるんだと思いました。

今日やること、ひとつだけ

寝返りの向きを、1回だけメモしておいてください。

次の健診のとき、「いつもこっち向きです」と伝えられるだけで十分です。
それ以上、今日は何もしなくて大丈夫です。

この記事が役に立ちそうなら、パートナーに送ってあげてください。
僕は、そのために書いています。

参考にした資料

  1. 厚生労働省「母性、乳幼児に対する健康診査及び保健指導の実施について」. https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta9658&dataType=1&pageNo=1(2026年8月30日閲覧)
  2. こども家庭庁「乳幼児健診に関する取組み」. https://www.cfa.go.jp/policies/boshihoken/nyuyojikenshin(2026年8月30日閲覧)
  3. Centers for Disease Control and Prevention「Milestones by 6 Months」Learn the Signs. Act Early. https://www.cdc.gov/act-early/milestones/6-months.html(2026年8月30日閲覧)
  4. Nuysink J, et al.「Symptomatic asymmetry in the first six months of life」. J Child Neurol 2008. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2292481/(2026年8月30日閲覧)

本記事は一般的な情報提供であり、個別の診断や治療に代わるものではありません。気になる点がある場合は、乳幼児健診や医療機関でご相談ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました