娘の頭を触ったら、凸凹していました。理学療法士パパが調べた「向き癖」との付き合い方

PTパパの考え方

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先に結論から言います。
赤ちゃんの向き癖は、めずらしいことではありません。
6割ほどの赤ちゃんに見られ、多くは自然に軽くなっていきます。

「このままだと頭の形が悪くなるかも」と思っていました

僕自身、赤ちゃんのころの写真を見ると、頭の形がいびつでした。
自分の子どもの頭を触ったとき、同じように凸凹しているように感じました。
枕を使った方がいいのか、横向きに寝かせない方がいいのか。
そんなことを考えた夜がありました。

調べてみると、思っていたより「様子を見ていい話」でした。

まず、向き癖そのものは自然な範囲です

赤ちゃんの首の筋肉は、まだ発達の途中です。
どちらか一方を向きやすいのは、多くの赤ちゃんに起きることです。

専門的には「向き癖」と呼ばれ、日本の学会の資料でも、3か月を過ぎるころには首の筋肉が発達して、自然に和らぐことが多いとされています。

🟢 はっきりしていること:向き癖は赤ちゃんの6割ほどに見られ、多くは3か月を過ぎるころから自然に和らいでいきます(日本小児整形外科学会)
🟡 関連が報告されていること:生後7〜12週の赤ちゃんの約半数に、何らかの頭のかたちのゆがみが見られたという調査があります。ただしこれは一つの調査結果であり、個人の発生確率を示すものではありません
🔴 まだ分かっていないこと:頭のかたちのゆがみが、将来の発達や歯並び、姿勢に影響するかどうかは、明らかになっていません

頭のかたちも、実はよくあることです

向き癖が続くと、後頭部の同じ場所に圧がかかり続けます。
その結果、頭のかたちに左右差が出ることがあります。

アメリカの小児科学会は、こうした位置による変形について「一般的には良性で、多くの場合、保護者が心配しすぎる必要はない」という整理をしています。

「良性」というのは、それ自体が病気ではない、という意味です。

赤ちゃんには、体を守るための反射がいくつか備わっています。
仰向けで片方を向くと、その方向の手足が伸びやすくなる反射もその一つです。
こうした反射の影響で、同じ方を向きやすい時期があること自体は、理学療法士としては珍しくないと感じています。
ただ、それが理由かどうかは、僕が家で見ただけでは判断できません。

気になったら、家でできることがあります

1.向き癖と反対側から接する

抱っこの向き、添い寝の位置、授乳の向きを、いつもと逆にしてみます。
赤ちゃんが自分から反対側を向く機会が増えます。

2.うつ伏せ遊びの時間をつくる

起きていて、見ている時間に限ります。
以前の記事でも触れましたが、頭の同じ場所に圧がかかり続ける時間を減らすことにつながります。

3.タオルで少しだけ高さを変える

向き癖のある側の頭と体の下に、折りたたんだバスタオルを差し込んで、少しだけ持ち上げます。
これも学会の資料に載っている方法です。

どれも、道具を新しく買う話ではありません。
今日から、家にあるものでできることです。

矯正枕については、はっきり書いておきます

ここは、あいまいにしたくないところです。

「頭のかたちを整える枕」を、日本の学会や公的機関が推奨している資料は見つかりませんでした。

それどころか、アメリカの小児科学会は、枕や枕のようなおもちゃを赤ちゃんの睡眠環境に置かないことを推奨しています。
日本のこども家庭庁も、寝床には何も置かないよう呼びかけています。

アメリカの規制当局が、頭部形成用の枕について使用中止を呼びかけたこともあります。

「効果がない」と言い切れる資料はありませんが、「推奨されていない」ことは、はっきりしています。

仰向けで寝かせることは、変えないでください

ここだけは、向き癖の対策より優先してください。

1歳になるまでは、寝かせるときは仰向けが国の推奨です。
乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを下げることが、研究で示されています。

「うつ伏せの方が頭の形にいいのでは」と考えたくなる場面もあるかもしれません。
そこは、変えるところではありません。

ヘルメット療法は、まだ見解が分かれています

「ヘルメットで頭の形を整える治療」を聞いたことがあるかもしれません。

ある研究では、中等度から重度の変形がある赤ちゃんを対象に、ヘルメットを使った場合と、使わずに様子を見た場合を比較したところ、2歳の時点での頭のかたちの変化に、はっきりした差はありませんでした。

一方で、重症例や早い時期に始めた場合の改善を報告している例もあります。

今の時点で、どちらかに断定できる話ではありません。
気になる場合は、迷わず健診や医療機関で相談してください。

ここからは、健診で伝えてほしいこと

「様子を見ていい範囲」と「相談した方がいい範囲」の、はっきりした基準を示した日本の資料は、今回見つけられませんでした。

だからこそ、次のようなことに気づいたら、自分で判断せず、健診のときに伝えてください。

  • 頭のかたちの左右差が、だんだん強くなっている気がする
  • いつも同じ方にしか首を向けない、または反対を向きたがらない
  • 首をかしげたような姿勢が続いている

これは、あなたが診断することではありません。
気づいたことを、専門家に渡すということです。

僕は仕事で外に出ている分、妻より子どもを見ている時間は圧倒的に短いです。
理学療法士としての知識が少しあった分、正直、あまり気にしていませんでした。
それでも、妻から「よくこっち側を向くんだよね」と言われたときは、相談した方がいいのかもしれないと思いました。

今日やること、ひとつだけ

今日の授乳か添い寝を、いつもと逆の向きでやってみてください。

それだけで十分です。
枕も、グッズも、必要ありません。

この記事が役に立ちそうなら、パートナーに送ってあげてください。
僕は、そのために書いています。

参考にした資料

  1. 日本小児整形外科学会・日本整形外科超音波学会「発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)の解説」第7節「向きぐせへの対応」2023年12月最終更新. https://www.jpoa.org/news/topics/1585/(2026年8月29日閲覧)
  2. こども家庭庁「乳幼児突然死症候群(SIDS)について」. https://www.cfa.go.jp/policies/boshihoken/kenkou/sids(2026年8月29日閲覧)
  3. American Academy of Pediatrics「Sleep-Related Infant Deaths: Updated 2022 Recommendations for Reducing Infant Deaths in the Sleep Environment」. Pediatrics 2022;150(1). https://publications.aap.org/pediatrics/article/150/1/e2022057990/188304/(2026年8月29日閲覧)
  4. 京都大学医学部附属病院 形成外科「赤ちゃんの頭のかたち外来」. https://keisei.kuhp.kyoto-u.ac.jp/ja/contents/babyhead/(2026年8月29日閲覧)

本記事は一般的な情報提供であり、個別の診断や治療に代わるものではありません。気になる点がある場合は、乳幼児健診や医療機関でご相談ください。

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